ジャコウネコ科

シマヘミガルス

シマヘミガルス©2017 Greg Hume: clipped from the original

シマヘミガルスの基本情報

シマヘミガルス

英名:Banded Civet
学名:Hemigalus derbyanus
分類:ジャコウネコ科 ヘミガルス属
生息地:ブルネイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ
保全状況:NT〈準絶滅危惧〉

シマヘミガルス@Photo credit: Greg HumePhoto credit: Greg Hume

ジャコウネコのなかま

すこし恐竜的な響きを持つシマヘミガルスと言う和名は、属名であるヘミガルス(Hemigalus)から来ています。

その名の通り、シマヘミガルスの体には太い縞模様が走っています。

この名前の他にも、日本語では単にヘミガルスと呼ばれたり、タイガーシベットなどと呼ばれたりしているようです。

英名はBanded Civet

縞のあるシベットと言う意味です。

シベットとは、ジャコウネコのなかまのひとつのことで、最高級のコーヒーを生み出すパームシベットなどが有名です。

また、シベットは、最も初期の肉食動物によく似た動物としても知られています。

パームシベット©2009 Praveenp: clipped from the original
パームシベット世界最高級のコーヒーの生産者はこのパームシベットです。動物がどうやってコーヒーを作るのでしょう。...

そんなシマヘミガルス、英名にシベットとついていることからも分かるように、シベット同様、ジャコウネコのなかまに分類されます。

ジャコウネコは、名前も姿もネコとよく似ていますが、違いも多いです。

例えば、体は長く、ネコに比べると四肢が短いです。

また、ジャコウネコは植物質も食べるので、ネコほどには顎や歯、爪が発達していません。

 

ジャコウネコは、その名前からも分かるように(麝香)、においが特徴的で、香水に使われることもあります。

彼らは肛門付近に臭腺を持ち、そこから出る分泌物をマーキングや、危険時の防衛手段として利用します。

シマヘミガルスも臭腺を持っており、分泌物のにおいでコミュニケーションを行うことが知られています。


シマヘミガルスの生態

シマヘミガルスは、東南アジア一次林などに生息します。

見られる標高は1,660mまでで、マレーシアのサバ州やサラワク州では、よく無人カメラに写っているようです。

プランテーションでの目撃情報もありますが、そこで生存できる証拠は見つかっていません。

 

彼らは主に昆虫食で、ワームなどを食べます。

この他、甲殻類カタツムリクモアリカエルトカゲなども食べます。

飼育下では果実を食べることもあるようです。

 

体長は46~53㎝、体重は1~3㎏、しっぽの長さは25~38㎝で、部分的に出し入れできる爪を持っています

 

採食は主に地上で行われますが、樹上や川のちかくで行われることもあります。

狩りは夜に行われます。

日中は地上の穴や樹上で休息をとります。

シマヘミガルスは単独性で、繁殖の時、もしくは子育ての時しか他の個体と一緒にいません。

彼らがどのような配偶様式を持っているのかは不明です。

 

繁殖に関してはほとんど分かっておらず、飼育下の個体の情報がほとんどです。

飼育下では、通常1~2頭が、約120gで産まれます。

赤ちゃんは8~12日で目を開き、約70日で離乳します。

寿命は飼育下で11~13年です。

シマヘミガルス@Photo credit: bobinozPhoto credit: bobinoz

シマヘミガルスに会える動物園

シマヘミガルスは、森林に依存した動物であるため、森林破壊は彼らにとって大きな脅威となっています。

特に東南アジアでは多くの森林が速いスピードで失われており、シマヘミガルスに大きな影響を与えています。

また、彼らはサバ州で食料として狩猟されたり、インドネシアではペットにするために捕獲されたりしているようです。

これらの脅威のため、彼らの個体数は現在も減少していると考えられており、レッドリストでは準絶滅危惧の評価をされています。

 

そんなシマヘミガルスですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません

彼らのようなほとんど知られていない動物も、日本で見ることができるようになるといいですね。

■《参考》東南アジアの熱帯雨林について