ハイエナ科

シマハイエナ

シマハイエナ©2014 zoofanatic: clipped from the original

シマハイエナの基本情報

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英名:Striped Hyaena
学名:Hyaena hyaena
分類:ハイエナ科シマハイエナ属
生息地:アフガニスタン、アルジェリア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルキナファソ、カメルーン、チャド、ジブチ、エジプト、エチオピア、ジョージア、インド、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、ケニア、レバノン、リビア、マリ、モーリタニア、モロッコ、ネパール、ニジェール、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、サウジアラビア、セネガル、シリア、タジキスタン、タンザニア、チュニジア、トルコ、トルクメニスタン、ウガンダ、ウズベキスタン、西サハラ、イエメン
保全状況:NT〈準絶滅危惧〉

シマハイエナ@Photo credit: zoofanaticPhoto credit: zoofanatic

スカベンジャー

縞模様と背中に生えるたてがみが特徴的なシマハイエナ。

このたてがみは危険を感じたときや闘争の時に逆立ち、それにより4割ほど体を大きく見せることができます。

体の大きさはブチハイエナと比べると小さいですが、体つきは非常にがっしりとしています。

 

そんなシマハイエナは、スカベンジャーとして生態系において重要な役割を果たしています。

スカベンジャーとは腐肉食者、死肉食者という意味です。

その名の通り、シマハイエナは、動物の死体を主食としています

 

一般的に、肉食動物は獲物を自分で狩り、その肉を食らいます。

事故や災害によって死んだ動物の肉や、他の肉食動物の食べ残しなどはあまり食べません。

ところが、シマハイエナを含め、ハイエナ科に属する4種のうち3種はこの死肉を主食とします

もちろん、自分で狩りをすることもありますが、多くの時間は死肉探しに当てられます。

時には他の肉食動物の獲物を奪うこともあります。

シマハイエナは、ライオンには逆らえないものの、チーターヒョウといった大きい肉食動物を追い払うこともあります。

 

死肉食であることに加えて重要なのは、彼らが他の動物は消化できない骨や皮なども食べることができる点です。

ハイエナは強靭な顎を持っており、この顎で固い骨を簡単にかみ砕き、靭帯を切り裂いて消化してしまいます。

さすがに腱や骨、蹄などは消化できないため、吐き出されますが、このような食性はハイエナが生きる上で有利ですし、生態系において分解者と言う他にない地位を与えています

通常、分解者と言えば土中にいる微生物が思い浮かびますが、実はハイエナのような大きな動物も分解者としての役割を果たしています

ハイエナには他人のものを横取りする悪いイメージが常にありますが、彼らは重要な役割を担っているのです。

シマハイエナの生態

シマハイエナは、アフリカ北部からアラビア半島、インド亜大陸にかけて、サバンナなどの開けた乾燥地帯に生息します。

砂漠のような極端な環境は避ける一方、人間が住む地域周辺には棲みつくことがあります。

 

主食は、シマウマやヌー、ガゼル、インパラなどの有蹄類の死肉ですが、ウサギなどの小型哺乳類を自分で狩ることもあります。

その他、昆虫やナツメヤシやメロンなどの果実を食べることもあります。

 

体長は85~130㎝、肩高は65~80㎝、体重は22~55㎏、尾長は25~40㎝で、オスの方がやや重くなります

他のハイエナ同様、前肢の方が後肢より長く、足は速くありません。

 

シマハイエナは、基本的に単独で行動し、単独で採食しますが、ペアや7頭までの集団で観察されることもあります

生息密度は低く、100㎢に1~3頭ほどです。

シマハイエナは夜行性で、一晩で長い距離を歩きます。

行動圏は40~60㎢。

臭腺からの分泌物やため糞によりマーキングされますが、行動圏にはグループ間に重複が見られることから、なわばり性は強くないと考えられます。

 

繁殖には地域によって季節性が見られますが、飼育個体は年中繁殖します。

妊娠期間は88~92日で、一度に1~6頭の赤ちゃんが産まれます。

育児は、自分で掘った巣や、ヤマアラシなどが残した巣で行われます。

赤ちゃんは生後8日で目を開き、1カ月で離乳するようになります。

この時期から、母親や兄弟が巣にエサを持って帰るようになります。

子供は1歳まで家族と過ごし、2~3歳で性成熟に達します。

寿命は飼育下で24年の記録があります。

シマハイエナ@Photo credit: zoofanaticPhoto credit: zoofanatic

シマハイエナに会える動物園

シマハイエナは、家畜、農作物の被害、墓荒らしや子どもの誘拐といった迷信などのために、しばしば迫害の対象になります。

また、その体の一部が伝統薬として利用されることから、狩猟の対象にもなります

さらに、他の動物を狙った駆除の餌食となることもあります

例えば、20世紀初頭、イギリス政府が行った狂犬病を保有するキンイロジャッカルを対象とした、毒による駆除のために、シマハイエナはイスラエルの地中海沿岸で姿を消してしまいました。

このような人間による直接的な迫害により、シマハイエナは現在も数を減らし続けています

成熟個体数は1万頭以下と推測されており、レッドリストでは、絶滅危惧種の一歩手前である、準絶滅危惧種に位置付けられています。

 

そんなシマハイエナですが、日本の動物園でも見ることができます

東京都の羽村市動物公園、静岡県の富士サファリ―パークが、シマハイエナを飼育、展示しています。

運が良ければ彼らの顎の強さを見ることができるかもしれないので、ぜひ足を運んでみてください。